驚くべき腸内の細菌と健康の関係とは?細菌が免疫機能を高める?
2017/10/07
目次
腸内にはたくさんの細菌が棲息しています。私たち宿主と腸内の細菌は共生関係にあります。私たちのお腹の中にいる細菌ってどのようなものなのでしょうか?また、どのように健康に関係しているのでしょうか?
腸内の細菌は草むらのようにたくさん!その数は・・・
私たちの腸の中にはものすごい数の細菌が棲息しています。その数は100兆個。人体の細胞の数が約60兆個ですからものすごい数になります。
腸内の細菌を集めた重さは約1.5kgにもなるといわれています!
このように腸内に生息している細菌を「腸内細菌」といいます。腸内細菌は腸内で草むらのようにまとまって棲息をしているために腸内叢(ちょうないそう)とか、腸内フローラとよばれています。叢とは「そう」と読み、草むらを意味します。フローラはお花畑という意味です。
腸内の細菌で健康になる!
腸内細菌と私たちの関係は、「共生」です。共生とは、お互いに良い影響を与え合う関係を言います。共生とは、「ギブ&テイク」の助け合いの形です。たとえば、アリとアブラムシのような関係です。アリはアブラムシを守る代わりに、アブラムシのお尻から出す甘い液を食べます。このように、腸内細菌と私たちは共生することによってお互いが利益を得ているのです。
つまり、私たちが健康であれば、腸内細菌も健康であり、腸内細菌が悪くなると、私たちも病気になってしまうのです。
このように、私たちと腸内細菌は深い共生関係にあり、私たちの健康に腸内細菌の存在は欠かせません。
腸内細菌の役割は消化吸収だけでない!免疫と関係が?
腸内細菌は私たちの腸内で食べ物の消化・吸収に大きくかかわっています。
そのほかにも腸内細菌は、危険な病原菌やウィルスを排除しようとする役割もあります。
また腸内細菌は肝臓、腎臓などの酵素の活性を私たちにとって良い状態に保つようにコントロールしたり、コレステロールを分解して、排出したり私たちが健康である手助けをしてくれます。
腸内細菌の種類
腸内細菌叢(腸内フローラ)は指紋のように人それぞれ違いますが 次のように分類されます。
・善玉菌(ビフィズス菌・乳酸菌 など)
便秘、下痢の防止、病原菌の感染の防止、コレステロールの低下、ビタミンやホルモンの生産
消化吸収の補助。免疫刺激。人体に良い影響がある細菌で健康維持や老化の防止に役立つ。
・悪玉菌(ブドウ球菌・ウェルシュ菌・大腸菌有毒株 など)
病気をもたらしたり、老化を促進したりする。
・日和見菌(バクテロイデス・連鎖球菌・ユウバクテリウム・大腸菌無毒株 など)
健康時は、無害だが、宿主の体調が悪いと腸内で悪い影響をもたらす菌です。
種類としては、善玉菌は約40種類、悪玉菌は約30種類、日和見菌も約30種類ほど生息していると言われています。腸内の生存できる菌の数は一定で決まっており、これら善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスが大切だといわれています。善玉菌:悪玉菌:日和見菌は一般には3:1:6が理想といわれています。
腸内バランス(腸内細菌のバランス)が崩れるとき
「腸内細菌」と「私たち」は深いかかわりがあり、腸内細菌のバランスが崩れると次のような変化が起きます。
善玉菌が減る
下痢や便秘が起こります。コレステロール値が高くなり、脂質の代謝が異常になります。動脈硬化の原因である高脂質血症が起きることがあります。
悪玉菌が増える
便秘だけでなく、免疫力が低下します。免疫力が低下すると、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状の悪化につながります。
私たちの腸内は年齢とともに善玉菌が減り、悪玉菌が増加する傾向にあります。
腸内細菌のバランスを整えることは、私たちが健康であるためにはとても大切なことです。
腸内バランスを整えるために
腸の中の善玉菌は年齢とともに減っていきます。そこで、善玉菌を腸内に増やして、健康を保つには、積極的に乳酸菌を取り入れる必要があります。サプリなども有効な手段です。
まとめ
私たちの腸内にはたくさんの細菌が棲息しており、私たちとは共生関係にあります。腸内の細菌は腸内叢とよばれ善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分類されますが、中でも善玉菌は私たちの健康維持に役立っています。しかし年齢とともに減っていく傾向にあり、そのため、善玉菌を体内に取り入れる必要があるのです。